三月類がドミニオンするんじゃないかな

ボードゲームのドミニオンについて真面目に適当に語る可能性

ドミニオン:ルネサンス カード評価その1 王国カード・アーティファクト2~3コスト編


ルネサンスのカード評価をしていきます。
2~3コスト編、4~5コスト編、プロジェクト編の3部構成の予定です。

話がのっけからそれますが基本+ルネサンスの大会を開催します。

note.com
参加申し込み締め切りは過ぎたけど、声をかけてくだされば参加できるかも。

この記事は基本的に2人戦を中心にしているので4人戦には当てはまらないところもありますが、参考程度にはなると思います。

全般

今回は単純さを意識して作られたのかテキストが短く、単純なものが多いです。財源トークン、村人トークンのおかげで事故も減らせる点、アタックが少なくしかもそれほど強くない(ように見えるだけで実際は強い)のでストレスも少なくゲームができる初心者にも勧められる拡張セットです。

一方、単純で事故を減らせるということは運要素が少なく、実力差が如実に表れる実にシビアな拡張です。プレイヤー間で実力差があると実力が低い側が運で勝てる状況はあまり起きないという点は実際に買う場合は気を付けたほうがいいかもしれません。運ゲーがしたかったら夜想曲のほうを買ったほうがいいよ。夜想曲は夜想曲でルールが難しくて初心者バイバイですが。

全体的にカードパワーが他の拡張と比べて一段階高いです。弱いといわれるのが研究や悪党って……ちょっと贅沢すぎやしませんか。変成とか、埋蔵金を抱えている拡張と比べたら捨てカードがなさすぎます。
プロジェクトも全体的に強く、明らかに役に立たない場を除いて基本的に買い得です。上級者相手だと話は別ですが、うまく使えるかどうか判断しづらいならとりあえず買っていいです。

カードパワーが高く事故りにくいということは1ゲームあたりのターン数が少なくなるということです。鍛冶屋ステロは属州4枚まで平均14ターンなんて言われてますが、ルネサンス環境では14ターンまでゲームが続けばロングゲームです。だいたい12ターンまでに、早ければ9ターンで終わるゲームもざらにあります。一方プレイ時間も短くなるかというとトークンの扱いで考える時間が長くなるのでちょっとは短くなるかもしれませんが大きくは変わらないと思われます。

ステロもコンボも強いです。どちらにも使えるカードが多いですが、ステロは香辛料やギルド集会所、コンボは発明家や徴募官が特に強力です。いろんなプレイングができるのはよいですね。
まあ突き詰めていくと村人の安定感もあってコンボ優勢だと思われます。

国境警備隊

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アクション コスト2
+1アクション
あなたのデッキの上から2枚のカードを公開する。そのうち1枚をあなたの手札に加え、残りを捨て札にする。両方ともアクションカードの場合、ランタンまたは角笛を取る。

評価

見たカード2枚とも欲しいことは意外と少ないため、ほとんど研究所です。あるいは手札を減らさずにデッキを一時的に圧縮しているカードともいえます。吟遊詩人があれば圧縮しなくてもコンボがつながるように、国境警備隊がたくさんあれば圧縮無しでもコンボをつなげることができます。
しかし国境警備隊を買い続けてもデッキは強くなりません。ついでで手に入れるなら最上級のカード、といったところです。強くても所詮は2コストか。でもこれより強い2コストキャントリップはないレベルです。陣地?あれは条件満たさないと使い捨てになるデメリットがあるし……。
パトロンとシナジーがあります。パトロンを公開できればパン屋より強いと言えるので国境警備隊を積極的に集める理由としては十分でしょう。

角笛

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アーティファクト
各ターンに1度、あなたが場から国境警備隊1枚を捨て札にするとき、あなたのデッキの上に置いてもよい。

評価

国境警備隊は2種類のアーティファクトがありますが、基本的にこちらを優先して取ったほうがよいでしょう。ランタンを先に取ってしまうと角笛がとりづらくなるためです。
実質的にターン開始時の手札の5枚目を2枚から選べるようになるということです。ほぼ手札6枚スタートと言えるでしょう。地味ですが優秀ですね。

ランタン

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アーティファクト
あなたの使用する国境警備隊は、カード3枚を公開し、2枚を捨て札にする。(3枚ともアクションカードの場合は、角笛を取る。)

評価

3枚見れるようになることより山札を掘る速度が1.5倍になることが重要です。国境警備隊だけで山札を全部捨てられるようになるくらいデッキの回転が速くなります。
国境警備隊をたくさん持っていないと効果が薄いです。ランタンだけ持っている状態だと角笛を取りづらいのも難しいところ。
基本的に角笛を先に取るべきですが、ゲーム終盤の場合角笛よりランタンを優先すべきタイミングもあります。

追従者

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+2 カードを引く
―――――――――――
このカードを獲得したとき、+2 村人。

評価

2回だけ研究所、なんて表現したことはありますが実際これで獲得した村人トークンをこれに使うのは弱いです。主に事故防止目的で買うことになります。初手で2枚のターミナルを買って3ターン目に追従者を買えば事故らない……こういう時に限って3ターン目に両方のアクションが来るんだよなあ、浮浪児だったらバラバラで来るくせにねえ。

基本的に追従者は邪魔なので改良などで廃棄してしまいたいところ、あるいは失われた技術で本物の研究所にするとか。
そういった邪魔な追従者を排除する手段がない場合、追従者の獲得と村人の使い方には慎重にならなくてはなりません。無駄に買ったり村人を無駄遣いしないため、ゲームの最初に〇枚までは買うと決めておくのもよいでしょう。個人的に追従者が邪魔になるサプライなら大体3枚までは許容できると思っています。

次の自分のターンが最後のターンであることが予想されるなら追従者のまとめ買いを行い事実上の研究所大量獲得をするのもよいでしょう。

ドゥカート金貨

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財宝
+1 財源
+1 カードを購入
――――――――――――――
このカードを獲得するとき、あなたの手札から銅貨1枚を廃棄してもよい。

評価

蝋燭職人が財宝になったということで弱いわけがありませんが、蝋燭職人はアクションであったところが強いという点もあるので上位互換とは一概には言えません。例えば寵臣や書庫と組み合わせるなら蝋燭職人のほうが強いですね。財宝であるこれは事故ることがないという点で蝋燭職人より優れていますので、ステロにも組み込みやすいのが長所です。しかし後述の理由からステロと相性がよいカードとは大手を振っては言えません。

蝋燭職人にない特徴として、獲得時に手札の銅貨を廃棄することができるという点ですが、これはドゥカート金貨を買う場合実質コスト3になるということです。3金で銅貨1枚を財源トークン版に変換する行為はコンボならよいですがステロの場合それほど強い動きではありません。購入をパスしているのと同義であるためです。今まででも肉屋ステロの3金で蝋燭職人は買わないでしょう?では2金しか出なかったとき銅貨を廃棄せずに買うかというと、買ってもいいですが2枚まででしょう。蝋燭職人も3枚以上は弱いって強豪プレイヤーstefさんも言ってた。ステロならどちらかというと購入増加の目的で買うのが主な理由となります。購入が必要なら何金でだって買うべきです。
基本的に数はいらないものですが、もし購入以外の方法でドゥカート金貨を獲得する場合この限りではありません。

コンボの場合、財宝であるという点で一部相性の悪いものもありますが、デッキの枚数を増やさず購入を増やせてより便利なトークンによる出力となるので実はステロより適性が高いです。

ところで翻訳についてですが金貨って言葉を使うのはちょっとどうかと……3金出るわけじゃないので。あと義賊君の目がどんどん節穴になっていく。

劇団

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アクション コスト3
+4 村人
このカードを廃棄する。

評価

村がない/入れる暇がないけどアクションで事故りたくない、というときに使うカード。例えばステロで鍛冶屋を3枚入れても事故を減らせる……そもそも鍛冶屋は2枚で十分だな?劇団買うくらいなら銀貨買ったほうがいいな?

ということで純粋なステロの場合劇団を買う手数が無駄です。輝きやすい場は香具師など、村を入れても機能しづらいが香具師が2枚同時に来ても困るといった不安定だがアタックはできる限りたくさん打ちたい状況。中盤だけ村が欲しい騎士見習い。玉座の間-玉座の間でしかコンボを始められない不安定な場など、とにかく「不安定」の解消が期待できるときに役に立ちます。

劇団だけでコンボは厳しいです。劇団は10枚しかないのですから。
ただし劇団の枚数に制限がない場合は話は変わります、待ち伏せで回収したり、はみだし者系ならサプライから減ることはありません。この場合逆にとても強い村です。

実験

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アクション コスト3
+2 カードを引く
+1アクション
このカードをサプライに戻す。
――――――――――――
あなたがこのカードを獲得するとき、実験をもう1枚獲得する(追加で獲得した実験にはこの効果を適用しない)。

評価

すぐに引かない探検。今回の銀貨は呪い教信者救済枠。銀貨を買いたくないけど3金しかないときに買うカードです。またはデッキの回転が重要なゲームでも積極的に買うでしょう。
使い捨てとはいえ、実質+1アクション+3カードを引くのカードがコスト3なわけで、もし毎ターンこのカードを(手数損にならずに)獲得できるなら使い捨てであることも気になりません。

ドローの価値が低い圧縮が弱い場、呪いが撒かれる場なら銀貨のほうがよいです。これは荒場ではドローより財宝のほうが役に立つという昔から言われている話です。

すぐにサプライに戻るので一見いつでも買えるように見えますが、サプライ次第では独占も可能です。引き切るために実験を使って、引き切ったらサプライにある実験を回収することで、自分だけ研究所を10枚常に持ち続けているのと同じ状態に保つことができます。もしこれができるならとても強いので狙えるなら狙っていきましょう。ならず者があるなら特にしたほうがいいです。こんなに気軽に買えて強いカードもそうそうないので。

増築

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アクション コスト3
+2 コイン
クリーンアップフェイズの開始時、あなたはこのターンに場から捨て札にするアクションカード1枚を廃棄してもよい。そうした場合、廃棄したカードよりコストがちょうど1コイン多いカード1枚を獲得する。

評価

爆発力が落ちた代わりに使いやすくなった行進。強いです。
強いと言われてもアクションカードを廃棄したいと思う状況はあまりない……通常はそうです。しかし増築があれば廃棄する前提で構築を進めるのでアクションを廃棄する機会はたくさんあります。意識高い感じに言うと機会とは作るもの、ということですね。

初手3-4を実質4-4にすることができます。そうした場合、増築はすぐ取り戻したほうがよい場合が多いでしょう。

このカードの強さは基本的に4コストのアクションに依存しています。理由は2つあり、増築自身を廃棄して獲得できる点と4コストを増築で廃棄すれば5コストのカードを獲得できる点です。
特に4コストが5コストになるのは終盤公領の獲得機会が増えるという点で大きく、増築を使われる側にとって最大の脅威です。増築持っているだけでゲーム終了時に追加で3点増える可能性をちらつかせられるのが強い。
7コストがあれば属州を追加で獲得することもできます。特に宮廷増築は増築の効果を3回発揮しながら、宮廷を属州に変換できるため1ターンで一気に属州を持っていくことができます。Oh……。

性質上最低でもほかに+2アクションかキャントリップがないと自身しか廃棄することができません(ここで持続とか資本主義とか言い出さないでほしい)。そういったものがない状況では、4コストが強いなら初手で買うのはよいですが、増築が強いとは言えないでしょう。

廃墟対策に使うのは弱いです。

貨物船

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アクション 持続 コスト3
+2コイン
このターンに1度、あなたがカード1枚を獲得するとき、そのカードを表向きにして脇(このカードの上)に置いてもよい。あなたの次のターンの開始時、そのカードをあなたの手札に加える。

評価

買ったカードが次のターン手札に入る強力なカード。早さを求められるルネサンス環境に合致したカードです。何がまずいかってこれ自体2コイン出すことが問題。容易に5金出して次のターン5コストのカード使えるわけで、しかも脇に置いてから手札に加えるのでデッキの回転も阻害しない。玉爾とはいったい……。一応貨物船1回ごとに1枚しか脇におけないのでその点は玉爾に劣りますがどうせ序盤は1枚ずつしか買えないのだからほぼ関係なし。
とにかく例え事故る恐れがあっても初手で買ったほうがいいことが多いです。それも2枚買ってもいいくらいです。なぜなら貨物船を3ターン目に引くのと4ターン目に引くのでは全然展開が違うためです。3ターン目貨物船はつまり4ターン目に5コストのカードが使えるということであり、実質初手3-5以上にもなりうるためです。たとえ貨物船を使って5金が出なかったとしても、3ターン目に貨物船を使えているなら4ターン目に5金以上出せるよう貨物船で何かしらを脇に置くことができるため、致命的な事故にはなりにくいです。4ターン目に貨物船2枚引いて5金が出なかったらつらいですが。

終盤でも引ききりデッキなら属州1枚を1ターンだけデッキ内に入れずに買うことができるので地味に安定性に寄与してくれると隙の無いカード。強すぎます。ただし引ききりデッキの場合、2ターンに1回しか2金が出ないので金量のムラに注意する必要があります。

4~5コスト編は明日投稿を目指します。

また宣伝

新しいドミニオンで強くなるための本、ドミガイドが4月25日に発売されました。
ルネサンスももちろん触れています。
www.sandomi.net
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