三月類がドミニオンするんじゃないかな

ボードゲームのドミニオンについて真面目に適当に語る可能性

司教を使おう 前編

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司教は圧縮しながら勝利点を稼げるため、圧縮による遅れをカバーできる画期的なカード……だなんて誰も思っていないでしょう。大抵は罠カードであり、購入したプレイヤーは多くの場合負けます。それはなぜか?ではどういうときには強いのか?少しずつ紐解いていきましょう。

そもそも司教は圧縮ではない

おいおい何言ってるんでぇ、確かに司教を使えばカードを1枚廃棄してんじゃねえか。その通りです、しかし司教は相手もカードを廃棄することを許します。つまり相対的には圧縮は進んでいません。デッキの質はお互い変わらず、むしろこちらが司教を使っている間に相手がより強力なアクションを使用することができる、これでは司教を使う側が不利なのは目に見えて明らかです。

ほとんど点数を稼げないことが多い

ほんなら相手が強力なアクションを使う分こっちは点数で圧倒すればええやないか。そううまくいきません。もし司教で銅貨と屋敷をすべて廃棄すれば13点になりますが司教を10回使う間に相手は属州を何枚取れるでしょうか?司教で相手の圧縮を援護しているのでステロにせよコンボにせよ速度は数ターン早まります。想像以上に早く属州を5枚以上かっさらわれるでしょう。確かに属州3-5で分けても13点あればギリギリ勝てる、でも相手に公領が入ったら?属州6枚以上取られたら?そして何よりそもそも初期デッキをすべて司教で廃棄するなんて間に合うのか?無理でしょう。圧縮ついでで勝利点を得ようと考えているなら10点も集まらないことは覚悟しなくてはなりません。

とにかく遅い

圧縮ではないといったものの圧縮カードとしてみればアクションは消費する、1枚しか廃棄できない、1コインしかでない、コスト4で初手2枚買うことも許されない、ドローもついてないなど鉱山、生け贄などとほぼ同レベル。これだけで圧縮するのは無謀で、使うならプラスアルファの効果を活かせるときだけ使うカード群のひとつです。とにかく遅い圧縮で、さらに司教は相手を加速させるという最弱レベルの圧縮カードです(最弱ではありません、変成があるので)。端的に言えば総合的に弱いのです。

ほなどないせえっちゅーねん

司教で圧縮は期待できない、遅いカードである、これにつきます。それを考えれば役に立つ場面も想像ついてくるのではないでしょうか?つまり……

司教を買うべき場

これは勝利点を稼ぐカードである

圧縮は別の手段を使うとして、中盤以降に司教を買い、コストの高いカードを司教に捧げることで純粋に勝利点を稼ぐ手段として使用します。可能であれば金貨を容易に獲得できる手段、行商人、ネズミ、廃棄置き場からカードを回収する手段等をお供にして、毎ターンコンスタントに6点以上稼ぐことで得点レースを制するのが司教の基本的な、というよりほぼ唯一の使い道です。

遅い場であればなお良い

司教は遅いカードなのでゲームの流れが遅くなればなるほど司教は有利になります。強力なアタック、特にハンデスならただ乗りされる確率が下がるのでなお良いです。

属州以外の点稼ぎが豊富

属州以外の勝利点(ただしゲーム終了に直結する強力な勝利点である植民地と制圧、膨大な点数を発生させるならず者と庭師を除く)、特にランドマークのことです。ランドマークは存在する時点でそこから得られる点数を稼げるよう立ち回ることを強いられるため、一見司教側には縁のなさそうなランドマークもゲーム遅延には有効に働く場合があります。
もちろんすべてのランドマークが有効というわけではありません。戦場や水道橋のような先行することを有利にするものはむしろ不利になります。
他にも帝国のカードは司教を強くするカードがたくさんあり、帝国が発売される前とその後では司教の購入率は大きく違うのではないかと考えております。

  • 凱旋
  • ワイルドハント
  • 農家の市場
  • 儀式

などなど、属州以外に勝利点を稼ぐ手段があれば自ずとゲームは遅くなります。そうすれば司教の点数も生きてくるでしょう。

因みにRenaissanceのカードはそのほぼ全てのカードがゲームを加速させるので司教は逆に購入率が下がったと思います。

とにかく勝利点が邪魔すぎるデッキ

礼拝堂などで極端な圧縮をしたもののドローが弱く手札に来る勝利点が大きな障害になるときに有効です。点数をほぼ維持したまま勝利点を廃棄できる司教はさながら島みたいなもので便利です。半ばゴールデンデッキに近いですね。
この場合のみ制圧とも共存できます。植民地は司教で廃棄すると-4点なので難しいです。なぜなら仮に植民地を5枚とって廃棄しても廃棄しない植民地3枚と同点だからです。4-4で分ければ当然ですが勝てません。もちろんデッキの質は勝っているし、最後の植民地は廃棄する必要はないので本当に5枚狙うのに有効であれば買うべきですが。

属州を買えない場合も有効に働くことも

司教で稼げる点数が馬鹿にならないパターンです。問題の属州を買えない状況ですがかなりのレアケースです。何故なら自分が司教を使っているなら少なくとも相手が属州を買えないようなデッキになることはまず無いからです。あり得るのはコンボパーツ集めで3山が切れる展開です。属州を買えないというより買う前に終わりそうになる状況といった方が正しいです。
そしてこの状況、ゲーム開始時にそういった展開になることを想定するのは難しく、想定できたとしても序盤に司教を取るのはリスクがあります。狙ってできたら相当凄腕のプレイヤーと言ってもいいです。(私はできません)

司教を買ってはいけないパターン

特にゲームが遅くなる要因がない

遅くなければ司教を買う遅れを取り戻すことができません。
要因があったとしても司教を使いつつ相手をその遅さに巻き込まなければ司教を買うタイミングはありません。魔女や民兵があっても司教と一緒に使えなければ意味がないということです。だから存在するだけでゲームが遅くなるランドマークが司教と相性が良いのです。

コンボが組めない

この項目を入れるのを直前まで忘れていました。司教を使うときはコンボであることが前提すぎて書くまでもないかもしれませんが、1ターンにアクションカード1枚しか使えないサプライで何が悲しくて司教を使わなくてはならないのでしょうか。他のアクションが変成や鉱山しかないのでしょうか、それなら仕方ありません。
とにかくこのようなサプライで司教を使おうものなら、単純に相手は司教と任意の別のアクションが使えるということと同義なので明確な手数損です。

強力な点稼ぎのカードがある

植民地、制圧のような高い勝利点でかつゲーム終了条件に直結するものがあれば、司教入れた分稼がなければならない勝利点のノルマが格段に跳ね上がるので、司教は使いづらくなります。植民地を3-5で分ければ司教で20点稼ぐ必要があるんですよ!制圧なら30点ですよ!司教で金貨8枚廃棄するより制圧2回買った方が早いと思います。
あと点数の問題だけではなく、相手に圧縮させることが致命的すぎます。なぜ繁栄で植民地と同時に司教を収録してしまったのかわからないレベル。勝利点トークン関係は別の拡張にした方がよかったんじゃないですかね?
また、ゲームを終わらせることはなくともならず者と庭師なら膨大な点数を稼ぐことができるため、司教の点数は霞んでしまうでしょう。点数のために購入した無駄なカードを廃棄できるので全くお呼びがかからないわけではありませんが司教が主軸になることはありません。

ここまで前編

ここまでは単純な司教の使い方についてでした。しかし意外にも?司教をこういった使い方で紹介するブログ記事は珍しいかもしれません。だってみんな司教城塞とゴールデンデッキしかしないし……。
後編からはみんなが大好きな司教城塞についてです。
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